チャリで巡る東北本線旧線(山線)その2

○松島海岸IC付近〜松島大郷IC付近


前回までのルート



折良くコンビニが出現したので小休止。
暑さに耐えかねてコーラがぶ飲みしながら今後のルートチェックを行う。
今回用意した地図は1/25000地形図と航空写真、それにロードマップ。
今回は2万5千にてほぼ完全にルートをトレースできるのをあらかじめ確認してあったので
他のは、補完的な意味で用意した。
地図によれば、現在地は利府町大日方。
ちょうど東北本線の陸前浜田駅と山を隔てた場所である。
軌道跡は自転車道路となり、利府街道とほぼ並進する形で松島町に入り、東北本線愛宕駅付近に至る。
休憩後再び走り出すが、とにかく暑い。さらに弟がなんだか苦しそうなのは
自転車のサドルが固着して下がらなくなっており、ペダルを踏みきれないという大変にきつい状況に
なっていたからなのであった。
実はこの企画会議(?)を実家でやった際に、ついでに長らく使用していなかった弟
のチャリを整備したのだが、この時点でサドルは既に下がらなくなっており
親父、私、弟の3人掛かりで色々やってみたのだが結局ダメで
文字通りの見切り発車となってしまっていたのだ。
妹は笑いながら「サドル代わりにカリフラワーでも差しといたら?」等といっていたが
探偵ナイトスクープじゃねぇんだから...。
松島海岸IC前で軌道跡とおぼしき道は広い砂利道になっており、「まあこの辺だったんだろうな」
くらいの想像しかできない。

松島海岸IC付近 左に利府街道 右の土手の上は三陸道である

利府中IC同様ICによりトレースは怪しくなるがその先でまた道は復活。
この辺からは完全に自転車道路となるので、かなり気楽に走ることが出来る。
利府街道の下をくぐり松島チサンカントリークラブ付近に出ると
軌道跡は見通しの良い平地を利府街道と平行して走るようになる。


松島チサンカントリークラブ付近の軌道跡


このあたりは周囲に田んぼと農家があるだけで軌道跡周辺に障害物などはなく
今、突然蒸気機関車が走ってきてもあまり違和感の無い風景だ。
しかし、この見通しの良い区間も油断は出来ない。所々にある用水路を渡るたびに橋の下をチェック。
おっと早速橋台跡発見。


これまで見てきた橋台と同様、煉瓦製。例によって、道路歩いてる分には
全く気付かない位置だ。なんかすごくもったいない気がするのだが...。
橋全体を詳しく見ようとサイド側に回って見るとコンクリート製の橋桁の下に茶色い物が見える。


コンクリートの部分を支える構造物かと思いきや、ちょっと待て!現在の橋桁とは全く関連してないぞ、これ。
またしても籔を漕いで橋の下に回ると...「先生!僕には列車用のIビームガーダー(※1)に見えます!」



私は専門家ではないので何とも言えないが、短い用水路などに線路を渡すときに使われるものに見える。
廃線後に人車用に渡された物にしては形状がアレだし。
橋台にコンクリを盛ってその上に置いてあるので、オリジナルの状態では無いかもしれないが
もともとあった物を嵩上げして人車用に再利用したとも思える。
どうだろうか?詳しい人情報求む。
プレートガーダー(※2)なら銘板あるかもしれないけどこれはなぁ...おもわず独り言。
 ...ついハァハァしてしまった。
しかし、この独り言が後で思わぬ場所で現実化するとは...

※1 橋の形式の一つで、断面がIの字の鉄骨を使用するシンプルな形式の橋
  主に短距離の橋に使用されるらしい(そりゃそうか)
  もしこれが列車用の物なら、レールは2本の鉄骨各々の上を走っていたはずである。

※2 鉄橋の形式の一つ。
  きっとだれもが見たことがあるに違いないタイプ。
  工場で生産される場合が多いようで、その場合は製造年など諸元が書いてある
  製品銘板が付いている場合が多い
  


 
結局このエリアではもう一個橋台を発見したにとどまり(上の写真)
他にはとくにめぼしい物もなく、軌道跡は松島大郷IC直前の三陸道に一旦飲み込まれる。
三陸道をくぐって出て来ると右手に松島町の初原浄水場が見えてくる。


松島町初原浄水場

利府街道を走れば必ず目に入る、ガウディチックなあの茶色い塔は浄水場の給水タンクだったのか。
いや−、小学生の時からの疑問が、今解けたわ。
浄水場を過ぎると、流れてるんだか流れた無いんだか分からない川を渡る。

わりと立派めの橋だし、川の護岸は最近の物だし、どう見ても何もなさそうだがまあ一応お約束なんでチェック。


ちょ!?
こいつはちょっと道に比べて立派すぎるプレートガーダーではありますまいか???しかも橋台煉瓦だし!
どうみても鉄道用に見えるが....そ、そうだ銘板!め・い・ば・んはっ!!
欄干からあちこち下をのぞき込むことしばし。
あたっ!あったよっ!!...ハァハァ...でも読めねぇ...。

銘板があるのは分かるのだが、橋の上に寝そべって貞子状に身を乗り出さないと見えない位置な上
ペンキが塗り重ねられて何がなんだかワカラン。
あんまりがんばると、頭から下の川に転落しそうだ。
橋台の周囲には足場もなく、直接アクセスするのは不可能に思えた。
じゃあってんで、弟の提案で彼のカメラの望遠に望みを託す。
それなら、離れているが安定した堤防の上から撮影することが出来るはずだ。
あとはかえってからじっくりと解読すれば...。

続く
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