○高城川〜大菅踏切

 高城川を渡り見通しの良い直線道路を進んでゆくと、それは見えてくる。


ううむ...事前に写真ではチェックしていたが、実物のほうが何とも....。
付近に民家はなく、すっかり緑に覆われたその姿はまさに「遺構」という感じだ。
自転車を路肩においてしばし眺める。
トンネル入口は路肩にスペースが無く、2輪が何とか停められるくらいなので
チャリであることが大変にありがたい。
 もっと近寄ってみよう。



緑に隠されている部分にも色々な意匠が施されており、こういうのが好きな人にはかなり「萌え」であろう。


傾斜部分の煉瓦積み。なんかすげぇ...

全体像を見たいなら冬季など、緑がない時期が良いと思われる。
大きさは当然単線の鉄道サイズで、内部で4輪のすれ違いは不可能。
申し訳程度に蛍光灯がついているが、夜はともかく昼間は無力な感じ。
煉瓦はこれまで橋台で見かけた物と同系の物に見える。
そうこうしているうちに、向こう側から車が一台入ってきた。
狭くて長いせいなのか、恐ろしいほどに音が反響する。
当時、蒸気機関車がここを通過するときもこんな風だったのかと想像してみたり。
 こんな暗いトンネルで車に追い立てられたくはないので
車が来ないことを見計らって突入!



外の暑さに慣れた体には、寒いくらいの涼しさである。
トンネルの内壁は煤けてはいるが、大きな破損などもなく概ね綺麗な状態に見える。

向こう側に抜けて振り返ると、これまた緑に覆われた坑口。


ちょっと離れたところには現在の東北本線のトンネルが口を開ける。
500mほど行くと大菅踏切付近で軌道跡は現在の東北本線と交差し消失する。




遺構が何もないので断定は出来ないが、地形を見る分には踏切の北側が
合流地点であったように見える。試しに踏み込んでみたが、あまりに草が深く
断念。足がたちまち種だらけになった。
ということで、これにて山線をコンプリート。
次回から、復路&補足編。




つづく
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