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ガレージというか約6畳の小屋制作についてのまとめ



2005年6月。公団アパートから今の戸建てに引っ越すと同時にガレージの建築を開始。
知識もなく、ほとんどゼロからのスタートではあったが、何とか完成。
その仕様検討から完成まで、数ヶ月間の記録である。

そもそも、持ち家にそれほど憧れていたわけでもなく、たまたまいろいろな事が
重なり引っ越すことになったのだが、どうせ引っ越すならバイク用のガレージも
作っちゃおう!というのが、事の発端であった。
ということで、半年後の引っ越しに向けて情報収集開始。

引っ越しまでの半年間は、仕様検討を重ねることに費やされた。
というか、まるで素人のワタシには、何が必要でどうしたらいいのか
さっぱり分からない。
たとえば...
家根はどうやって外壁の上に乗っかっているのだろうか?
家根と、壁の隙間はどうすればよいのだろうか?
外壁に断熱材を入れたいが、どういう構造にすればよいのか?
そういう細かな点がある程度はっきりしないことには
図面もできない、部材の必要量もはっきりしない、もしかして後で歪んだり
壊れたり、風で飛ばされやしないかとか不安と不明点だらけなのである。
あまりに検討すべき点が多いので、専用の手帳を作って、思いついた端から
疑問点や、アイディアをメモして、夜はネットで情報収集という日が続いた。
結局分かったのは、すべてをあらかじめ計画するのは不可能ということ。
図面で見えない部分については、出たとこ勝負の、現物合わせでやるしかなさそうである。
ある意味「腹をくくる」のに半年必要だったとも言える。

○仕様検討1 建築方法

金銭的な理由から、選択枝は次の3つ


1.イナバ等の完成品購入
2.組み立てキット
3.自作

1は簡単で早いという利点があるが、なにせ金がかかる。
2は1よりは安くあがり、何よりも完成する事が半ば保証されている。
3安い。大変かも

実際問題として、家を買うというのに余分な金などあるわけもなく
あれこれ検討はしたモノの結局自作することに。
これが茨の道の始まりだとは、この時点では気づいていなかった...。


ざっと、全体的な話



仕様

構造:枠組壁工法(いわゆる2X4)

屋根材:アスファルトシングル+アスファルトルーフィング+水切り金物

壁:構造合板+スタイロフォーム+合板(外壁)

床:板張り(合板)+グラスウール

基礎:外周ブロック基礎+束石+床束ジャッキ
   全周換気とするため隙間パッキン使用。

道具
JWCAD(フリーのCADソフト)
もちろん図面作成用

EXCEL
部材リスト、費用試算等に使用

ここまでデスクワーク

インパクトドライバー
コーススレッド(ねじ釘)を死ぬほど打つので必須アイテム。
打撃しながら回転する仕組みなので、電動ドライバーとは
全然違う物です。
リョービの安い奴(ホームユース用)を購入。
充電しながら使うので、バッテリー2個付きのものでないと
効率悪くてやっておれません。

電動丸鋸
速く、まっすぐ、垂直に切るにはこれ以上の物はありません。
最初は怖いけど、慣れたらやめられません。必須。

コンベックス(巻き尺)
なんでも良いと思いますが、必須。

スコヤ(止め型スコヤ)
柱などに直角の線を簡単に引けます。
45度も引けるようになっている止め型というのが便利。必須。

水平器
コンベッ<クスに付属してたりもしますが、大型(長い)もののほうが正確です。必須。

脚立
屋根などの作業で必ず必要になります。
できれば借り物でも良いので、二つ以上あると大変効率がよいです。必須


電動ドリル
小さい穴なら、インパクトドライバー+アタッチメントでいけますが
10mmとかになると厳しいです。

ジグソー
曲線を切るときは便利です。細身の手鋸でもいけますが...
柱とかの切断には向いてません(実験済みふにゃふにゃの断面になります)



金槌
アスファルトシングルを釘で固定するのに使いました。
その後日曜大工でも活躍

ゴムハンマー
ショックレスのちょっと大きめが使いやすいです。
ブロック基礎の位置決めや、大型部材の位置の微調整などに使用。


道具袋
腰に下げる小物入れ(?)


チョーク
材料にマーキングすることが結構あります。

タッカー
ステープルの刃を打ち込む道具。
グラスールや、アスファルトルーフィングの固定に使います。


自作の建物は、図面ができれば、ほぼ完成したも同然です。
図面が引けると言うことは、構造を理解して、組み立ての手順もある程度見当が付くと言うことです。
ついでに、必要な部材の寸法、数量も割り出せます。
割り出せたら、EXCELなどで、「部材表」?と「パーツリスト」?を作ると便利です。
部材表は、「お買い物リスト」です。2×4材 3600mm 40本とか。
パーツリストは、実際に使用する際の加工寸法です。2X4材2400mm 40本とか。
なるべく端材が出ないようにも、配慮します。
そうすると、例えば、同じ寸法のパーツをあらかじめ作り貯めしたりもできるので
作業効率も上がります。
私は建築はまるっきりの素人なので、ここでかなりの時間(数ヶ月)を掛けています。
曖昧な部分を残さず、すべてを図面にしておくことをお勧めします。
プロなら、その場その場で適切な対応ができるんでしょうけどね...

その次は、基礎ですが、文字通り基礎が正確にできれば、ほぼ完成したも同然ではないかと思います。
(基礎の種類にかかわらず、水平や形状、寸法等)

建物本体については、2X4工法の場合、図面通りに材料をカットして、組み立てて行くだけですので
実はそんなに難しくありません。というか、目に見えて完成に近づいて行くので、非常に楽しいです。
作業に当たっては、大まかでも良いので工程表を作っておくと便利です。
後述する天候への対応も、やりやすくなります。
ただ、部材の量がかなりありますので運搬は結構大変だと思います。
私はホームセンターの無料トラックをフル活用しましたが、材料の保管場所の問題もあって
何度かに分けても、やはり積み込みと、荷下ろしを一人で(急いで)やるのは、疲れます。

それと、天候(雨、風)。
自分ではコントロールできないやっかいな問題です。
一番困るのが、工程が半端な状態で作業を中断せざるを得ない場合です。
台風なんか来た日には、せっかく作ったものが、壊れてしまうかも!
なので、工程は全体を見ながら、天気予報を突き合わせて「この日はここまで」とか
きりの良い作業計画を立てて、事前に行える段取りは、極力済ませておくことです。
場合によっては、「今日はやらない」という判断も必要になるかと思います。
風に弱い状態で、1週間放置したりするのは危険ですから。
雨対策にブルーシートは常備しておく必要があります。

こういった脆弱な状態を過ぎて、屋根ができてしまえば、ほぼ完成です。
あとは自分のペースで作業ができます。
ただ、屋根は高所作業になりますので、勾配などによりますが十分注意が必要になります。
我が家はうっかり勾配をきつくしてしまったので(30度)、屋根に立てず往生しました。
屋根は、内側から
屋根板>防水紙(アスファルトルーフィング)>屋根材(アスファルトシングル)という構造です。
アスファルトシングルは一枚一枚打ち付けていくので、根気がいりました。
基本的にはこれで完成でも良いようなのですが、屋根の耐久性を上げるため
外周には水切り金物を使用しています。
これは、屋根板などの縁が風雨に直接晒されたり、風による雨の吹き込みなどを防ぐ意味合いがあります。
また、軒からの雨だれも建物に影響を与えるため雨樋を取り付けています。